経営事項審査(経審)の点数4~経営状況評点(Y)~

経営状況評点(Y)

経営規模等評価申請の際に算出される数値ではなく、経営状況分析申請を行った際に算出される数値になります。
経営状況評点(Y)は、「負債抵抗力」「収益性・効率性」「財務健全性」「絶対的力量」の4つの観点から、算出されます。

負債抵抗力」とは、借入金や支払利息の金額が過多になっていないか、負債全体に対する抵抗力を判断する項目です。
下部の純支払利息比率(X1)と、負債回転期間(X2)の2つが該当します。

収益性・効率性」とは、利益率について判断する項目です。
損益面、財政面の双方において、利益率が良いかを判断します。
下部の総資本売上総利益率(X3)と、売上高経常利益率(X4)の2つが該当します。

財務健全性」とは、自己資本の割合を判断する項目です。自己資本と固定資産の割合や自己資本が総資本においてどの程度割合を占めているで判断されます。
下部の自己資本対固定資産比率(X5)と自己資本比率(X6)の2つで該当します。

絶対的力量」とは、短期間における現金創出能力と長期間における利益剰余金の大きさが判断されます。
割合等ではなく、1億円に対する絶対額を評価することになります。
下部の営業キャッシュフロー(X7)と利益剰余金(X8)の2つが該当します。

 

経営状況評点(Y)の算出方法は、以下です。

(Y)=167.3×経営状況点数(A)+583

(Y)の上限値は1,595点であり、下限値は0点です。

小数点以下第一位は、四捨五入を行います。

経営状況点数(A)も、経営状況分析結果通知書に記載されている点数です。

 

経営状況点数(A)の算出方法は、以下です。

 

(A)=-0.4650×純支払利息比率(x1)-0.0508×負債回転期間(x2)+0.0264×総資本売上純利益率(x3)+0.0277×売上高経常利益率(x4)+0.0011×自己資本対固定資産比率(x5)+0.0089×自己資本比率(x6)+0.0818×営業キャッシュフロー(x7)+0.0172×利益剰余金(x8)+0.1906

 

なお、(X1)~(X8)の項目は、小数点以下第四位を四捨五入します。

上記の計算式から、比率が高いのは、「負債抵抗力」と「収益性・効率性」の2つだということが分かると思います。

特に純支払利息比率(X1)と総資本売上総利益率(X3)が特に比重が大きいことを考慮して、改善を図ることが、総合評定値(P)を上げることに繋がります。

また、経営状況評点(Y)は、その他の経営規模等評価申請で算出される数値より、特に中小規模の建設業者では差がつき易い項目になります。

しかしながら、評点を上昇させるには、地道に努力を続けることが必要な項目となります。

将来的に公共事業を受注したい、総合評定値(P)を上げる必要があるといった場合は、なるべく早い段階から、意識をしていくほうが良い部分です。

 

純支払利息比率(x1)
(x1)=(支払利息-受取利息配当金)÷売上高×100
上限値は-0.3%、下限値は5.1%です。

 

負債回転期間(x2)
(x2)=(流動負債+固定負債)÷(売上高÷12)
上限値は0.9ヶ月、下限値は18.0ヶ月です。

 

総資本売上総利益率(x3)
(x3)=売上総利益÷総資本(2期平均)×100
上限値は63.6%、下限値は6.5%です。
総資本は、貸借対照表の負債純資産合計のことです。
この総資本の2期平均が3,000万円に満たない場合は、3,000万円として、計算します。

 

売上高経常利益率(x4)
(x4)=経常利益÷売上高×100
上限値は5.1%、下限値は-8.5%です。
法人の場合は、経常利益を使用しますが、個人の場合は、経常利益に代えて、事業主利益を使用して計算を行います。

 

自己資本対固定資産比率(x5)
(x5)=自己資本÷固定資産×100
上限値は350.0%、下限値は-76.5%です。
自己資本は、貸借対照表の純資産合計のことです。
連結決算を行っている場合は、「純資産合計-少数株主持分」を使用して計算を行います。

 

自己資本比率(x6)
(x6)=自己資本÷総資本×100
上限値は68.5%、下限値は-68.6%です。
自己資本は、貸借対照表の純資産合計のことです。
連結決算を行っている場合は、「純資産合計-少数株主持分」を使用して計算を行います。

 

営業キャッシュ・フロー(x7)
(x7)=営業キャッシュフロー(2期平均)÷1億
上限値は15.0億円、下限値は-10.0億円です。

営業キャッシュフロー=経常利益+減価償却費±引当金増減額-法人税住民税及び事業税±売掛債権増減額±仕入債務増減額±棚卸資産増減額±受入金増減額

各増減額を(当期-前期)で計算した場合において、符号を変えずに計算を行うのは、 引当金増減額、仕入債務増減額、受入金増減額であり、符号を反転して計算を行うのは、売掛債務増減額、棚卸資産増減額です。

連結決算を行っている場合には、連結キャッシュフロー計算書の「営業活動によるキャッシュフロー」を使用して計算を行います。

 

利益剰余金(x8)
(x8)=利益剰余金÷1億
上限値は100.0億円、下限値は-3.0億円です。
法人の場合は、利益剰余金を使用しますが、個人の場合は、貸借対照表の純資産合計を使用して計算を行います。

 

Follow me!

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA