建設業の業種⑧電気工事業

建設業許可における建設業の業種は、平成28年6月1日に解体工事業が増え(とび土工工事業から分離独立)、合計で29の業種があります。

この中から、今後の営業活動に必要な業種を選び、許可を取得していくことになりますが、ご自身の普段されている工事がどの業種になるのか、どういう資格が必要なのか調べるのも大変です。

今回は、29の業種のうち電気工事業について記載していきます。

1.電気工事業とは

電気工事業とは、「発電設備、変電設備、送配電設備、構内電気設備等を設置する工事」と告示されています。
土木一式や建築一式と違って、専門工事になるため、元請の立場でないと工事実績として認定されないということはありません。
請負代金が500万円(税込)未満の工事しか請け負わなければ、建設業許可は必要ありません。
しかし、数年に一度でも、500万円(税込)以上の工事を請け負うという場合には、建設業許可が必要になります。

「電気工事業の許可を取っても、他の工事が含まれていたらその工事の許可も必要なのか?」とご質問頂くことがあります。
複数工事が含まれていても、請負代金の内訳において、電気工事が一番大きい割合を占めていれば電気工事業の許可のみで問題ありません。
しかし、電気工事より大きな割合を占める別工事が含まれている場合は、電気工事業の許可ではなく、一番大きい割合を占めている工事の許可が必要になります。

2.具体例

電気工事業の工事の具体例は以下です。

・発電設備工事
・送配電線工事
・引込線工事
・信号設備工事等

3.電気工事業の専任技術者になるための資格

下記の資格をお持ちの方は、実務経験に関係なく電気工事業の一般建設業許可取得に必要な専任技術者になることが可能です。下記の資格をお持ちでない場合は、実務経験で証明を行うことが一般的です。

なお、青字で記載された資格については、特定建設業許可の専任技術者になることもできる資格になります。

(1) 1級電気工事施工管理技士 
(2) 2級電気工事施工管理技士
(3) 技術士試験:建設・総合技術監理(建設) 
(4) 技術士試験:建設「鋼構造及びコンクリート」・総合技術監理(建設「鋼構造及びコンクリート」) 
(5) 技術士試験:電気電子・総合技術監理(電気電子) 
(6) 第1種電気工事士

なお、下記に記載する資格に関しては、資格取得だけでは足りず、合格後【】内の年数以上の実務経験を必要とします。

(7) 第2種電気工事士【3年】
(8) 電気主任技術者(第1種~第3種)【5年】
(9) 建築設備士【1年】
(10) 計装【1年】

4.電気工事業の専任技術者になるための実務経験

3.の資格で専任技術者の要件を満たすことができない場合は、一般的に電気工事業に係わる建設工事の実務経験で専任技術者の要件を満たしていることを証明する必要があります。
下記のいずれかの要件を満たしていれば、電気工事の一般建設業許可を取得するための専任技術者になることができます。

なお、指定学科については、下記5.指定学科をご参照ください。

(1) 大学(短期大学含む)又は高等専門学校の指定学科を卒業した後3年以上の実務経験を有する者
(2) 専修学校の指定学科を卒業した後3年以上の実務経験を有する者で、専門士又は高度専門士を称するもの
(3) 高等学校、専修学校又は中等教育学校の指定学科を卒業した後5年以上の実務経験を有する者
(4) 10年以上の実務経験を有する者
(5) 旧実業学校卒業程度検定規定による検定で、指定学科合格後5年以上又は専門学校卒業程度検定規定による検定で、指定学科合格後3年以上の実務経験を有する者
(6) 国土交通大臣が3.(1)~(10)及び4.(1)~(5)に掲げる者と同等以上の知識及び技術又は技能を有するものと認定した者

5.指定学科

実務経験で証明していく場合に、指定学科を卒業していることで必要な実務経験年数が短縮されます。
電気工事業で指定学科とされるのは以下に関する学科になります。

(1) 電気工学
(2) 電気通信工学

6.電気工事業の特定建設業許可における専任技術者になるための要件

3.の青字で記載された資格をお持ちの方は、特定建設業許可を取得する場合でも専任技術者になることができます。

また、国土交通大臣が左記と同等以上の能力を有する者と認めた者も可能です。
電気工事業は指定建設業になりますので、指導監督的実務経験を有していても、専任技術者になることはできません。

Follow me!

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA