新たに法人を設立し、建設業許可を取得する場合

独立のタイミングであったり、経費を考えて法人を設立したい!
新しく法人を設立しつつ、建設業許可を取得するケースでは、注意が必要な点があります。
例えば、現在法人は資本金が1円でも設立可能です。
では、資本金が1円の会社で建設業許可の取得が可能か?というと答えはNOです。

注意事項は複数ありますが、その中でも当事務所にご相談頂いたケースについて、記載したいと思います。

 

①資本金が建設業許可取得要件を満たさないケース

最初の例がまさにこれです。
建設業許可を取得する要件には、財産的基礎等が問われます。
・一般建設業許可であれば、自己資本の額が500万円以上又は500万円以上の資金を調達する能力があること
・特定建設業許可であれば、資本金の額が2,000万円以上かつ自己資本の額が4,000万円以上であること
(※双方、法人新規設立の場合には該当しない条件を除く。)
この金額未満であれば、財産的基礎等の要件を満たすことができず、せっかく法人を設立しても建設業許可を取得することができません。
また、特定建設業許可の場合において、新規設立の場合は要件を満たしているかの確認書類が開始貸借対照表になるため、設立時の資本金が4,000万円以上が実質的には要件となっています。

 

②経営業務の管理責任者が役員ではないために建設業許可が取得できないケース

経営業務の管理責任者としての要件を満たす方が役員として登記簿謄本に記載されていないケースです。
既に法人設立は終わっており、経営業務の管理責任者の要件を満たす人もいるのですが、その方が役員(取締役)として登記簿謄本に記載されていない。
経営業務の管理責任者になれるのは、常勤の役員であるので、この状態だと建設業許可は取得できません。

 

③定款や商業登記の目的欄に建設業許可を取得予定の業種が記載されていないために建設業許可が取得できないケース

既に法人設立は終わっている場合、定款や登記簿謄本も当然完成しています。
その定款や登記簿謄本に建設業許可取得を希望される業種が事業目的に記載されていない。
法人にあっては、定款及び登記簿謄本において、建設工事の完成を請け負う営業であることが文理上確認出来る目的を定めていることを確認されます。
定款や登記簿謄本の目的に建設業の業種が記載されていないというのは、その内容で営業を行わないと判断されてしまいます。

 

 

上記の内容は一例にはなるかと思いますが、せっかく法人を設立して、建設業許可を取得しようとしても、誤った手続を行うと、すぐに取得できないということが分かって頂けると思います。
商業登記の内容を変更するのにも、当然お金と手間がかかります。
特に新規で法人を設立し、建設業許可を取得するのは、そもそも集めるべき書類が多く、時間やコストがかかる作業ですから、不必要なコストや手間は省くべきでしょう。

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